こんにちは。宮前です。
今回も、前回のクルー日記「立志の時間2」の続きになります。
やりたいことも見つけられず悩んでいた頃に新潟で起きた「中越地震」。
「自分も何かの役に立てるのかも」「何か大事なことに気付けるのかも」・・・と、直感からかあまり行動力のない奥手な自分が、思いきって被災地に向かったのですが、今思えばきっと変わりたかったのかもしれません。
いつも誰かと一緒に行動したり、誰かの誘いや促しがあって行動していた私にとって、こうして周りの心配をよそに、自分の意志でひとり見知らぬ地に行くというのは、この時が初めてのことだったようにも思います。
現地では、避難所になった体育館で物資を運んだり、壊れた家屋の片づけをしたり・・・の数日間。
そんな中で印象的だったのが、避難所の体育館で布団を運んでいた際に、「ありがとうねぇ」と言葉をかけられたことでした。
その涙ぐまれたお年寄りの女性の「ありがとう」の言葉から、自分が普段つかっている「ありがとう」とはまったく違う重みを感じたのです。
こうした心からの言葉や、心の通い合いに、むしろ自分の方が勇気をもらい、大事にしたいものが見えたような気がします。
ただそれでも、やりたいことが見つかったわけではないので、その後東京に戻ってもスッキリする日は訪れず・・・。
そして震災から3か月。
それまで「やりたいこと」ばかり探して退職しようとしていましたが、「何かある。ここではない。」と思いながら、目の前に集中できない人生はあまりに苦しく、もったいなく・・・
そのくせ、親のせい、会社のせいと、言い訳して行動しなかった・・・
「こんな自分はもう嫌だっ!」と限界に達し・・・
何ができるか分からないけど、今のままの自分では、自分が自分を嫌いになってしまいそうだから「辞めることからはじめよう」とついに退職を決意することに。
課長に2度目の退職話を持ち出したあの日は、私の「独立記念日」だったような気がします。
(続く・・・)
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子