自然から学ぶ

私たちの復興「自分たちに出来る事をする」

カグヤでは2011年の東日本震災から、自分たちなりに復興を始めました。それは、「自然から学び、自然に沿った本来的な生き方を実践する」こと。これまでの人間都合の生き方を改め、自然のつながりの中で生きる取り組みをご紹介いたします。

2014/05/14

成苗

先週末に行った田植えの苗は、「成苗(大人の苗)」でした。

 

通常の田んぼでは、2葉半の「稚苗」が一般的のようですが、無農薬・不耕起栽培・冬期湛水の藤﨑農場では、5葉の「成苗」まで育ててから、田植えをされていました。

 

 

寒さにさらし、厳しい環境で育った成苗は、病気や冷害にも強い稲に育つそうです。

 

稲が硬い土に根を伸ばすには、大変な努力が必要になりますが、根を太くして硬い土を突き破る、その頑張る力で、元気で美味しい立派な稲に、成長するのだといいます。

 

色々と気になり、苗について調べてみると、昔は、どこの農家も成苗まで育てて手植えをしていましたが、現在のように、機械で田植えをするようになってからは、機械で植えやすい「稚苗」に変わったそうです。

 

そして、その苗では直ちに成長させる必要があるため、即効性のある化学肥料を投入。

 

急に大きく育った苗では環境の変化などにより、病気にかかりやすいため、殺菌剤などの農薬を散布。

 

また、虫などによる被害粒をなくすため、殺虫剤などの農薬を散布することが一般的といいます。

 

実に、不自然なサイクルを感じずにはいられません。

 

そして、人間も同様に、初期段階に、甘やかされた環境で育ってしまうと、不自然なサイクルに入ってしまうのではと、ゾッとしました・・・。

 

立ち直れない程に厳しすぎるのは、困りものですが、環境の変化に耐えられる強さを備えるためには、少し厳しいくらいのほうが、ちょうどよいのかもしれません。

 

そして、その加減を掴むためには、見守ることが不可欠なのだと感じました。

 

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子