古民家の天井をはがしてみると、
天井板自体に、接着剤や多数のビスが埋め込まれており、
一度剥がすと、その後の再利用が簡単にはできない状態になりました。
壁に貼られたステンレスも剥がそうとしてビスを外しても、
強力な接着剤で剥がすことすらできません。
簡単で安く済ませるためにはもちろんそういった工法が最善なのかもしれませんが、
それでは住む人も、職人も育ってはいきません。
長く住むために修繕することが前提で作られる家と、
数十年で壊れて建て替えることを前提に作られた家。
それは解体をしてみるとすぐにわかります。
後世の人のことを考えた仕事とは何か。
後世の人々が継続可能な働き方や暮らし方とは何か。
目の前にある仕事の後ろにあるものを見ようとしないことは
実は非常に罪なことなのかもしれません。
ここ聴福庵の再生、暮らしの再生を通じて、
その古き良き日本の智慧を今に、そしてこれからの子どもたちに
つないでいきたい。
そしてその前に、まずは自分の働き方を見つめ、
より継続的なものにしていきたいと思います。
ミマモリスト
真田 海