今日は富山県の古民家から頂いた
「煤竹」を一本一本、磨きなおしていきました。
煤竹(すすたけ)とは、
古い茅葺屋根の屋根裏や天井からとれる竹建材のことを言います。
100年から200年以上の長い年月をかけ、
囲炉裏の煙でいぶされて自然についた茶褐色や飴色に変色した竹建材で、
煙が直接当たっているところは色濃く、
縄などが巻かれて直接煙が当たらない部分は色が薄く、
竹に独特な濃淡が出て美しい表情を持ちます。
ホームセンターでも煤竹を見ることはできますが、
これは炭を作る窯で1日~2日で出来上がってしまう全くの別物です。
しかし煤竹も使われなくなると煤や埃にまみれてしまいます。
使われなくなった煤竹、60本を一つ一つ磨いていくと、
磨きながら200年という悠久の年月が輝いてくるように感じます。
この竹が200年という年月の間、人々の暮らしとともに、
ずっと人々に寄り添ってきた「時の深み」が、
竹からにじみ出ているようです。
これからはここ「聴福庵」での暮らしを天井から見守ってもらえるよう、
明日もまた、磨いていきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海