昨年夏、新宿駅に小さなコーヒーショップがオープンしました。
客席はわずか10席程度。テイクアウトのお客様がほとんどです。
通常400円以上するハンドドリップコーヒーが朝だけ300円で買えるモーニングコーヒーは人気で、カウンターから立ち上るコーヒーの香りに寄せられ、出勤途中のサラリーマンやOLがいつも並んでいます。
カグヤが防災上の理由から、社内で炒りたてコーヒーを容易く飲めなくなって以降、コンビニカフェで凌いでいた私は、そこがコーヒーショップになると知り、オーブン前から大喜びしていました。
オープン初日から早速購入!テイクアウトはビニールバッグに入れてもらい上機嫌で会社へ向かいました。
二度目に立ち寄った際には、前回貰ったビニールバッグを持参しました。作りがしっかりしていて使い捨てるには勿体なかったのです。
少々恥ずかしさはありましたが「これに入れてください」とそれを手渡すと、一瞬驚いた後「とっておいてくださったんですね!ありがとうございます!!」と嬉しそうに笑顔で受け取り、カップを入れて手渡してくださいました。
なんとも清々しい神対応!気恥ずかしさも一瞬で消し飛びます。
それから月に数度立ち寄るようになり、今は店員さんとも会話を交わすようになりました。
「出張お疲れさまでした」
「年末年始忙しかった?」
「お互い今日もがんぱろうね」
「いってらっしゃい」
「いってきます」
時にはカップにメッセージが書かれていたり・・・。
他愛もないことなのですが、こういったささやかなやり取りに、自分が誰かと繋がっていると実感できたりするのかなと思うのです。
他人との繋がりが稀薄になった昨今、誰にも悩みを打ち明けられずひとり苦しみ、死を選ぶ人が後を絶ちません。
こんな風に常に自分が誰かと繋がっているという実感が持てたなら、もしかしたら誰かに助けを求めることも、誰かに手を差し伸べることも、もっと簡単になるのかも知れません。
今日も一杯のコーヒーにパワーをもらい、繋がった誰かを元気できたらと思います。
ミッションパート
佐藤 真樹