暮らし

BLOG

毎日更新。カグヤの日々の取り組みをご紹介。

暮らし

備え

先月、都心部に記録的な大雪が降りました。
予想通り街は大混乱。

 

雪国に生まれ育った私にとっては慣れ親しんだ雪。
そこでは毎日のように雪が降っていました。

 

大雪の日も交通がマヒするどころか、路線バスはそもそも冬の間は雪道が危険なので運行していませんでしたし、列車も季節に関係なく2~3時間に一本しかありませんでした。

 

普段がそんな感じなので例え列車の到着が遅れ、待ち時間の2時間が3時間になろうが4時間になろうが慌てる者はなく、立ち食いそばでも食べながらゆっくり待とうという人でそばスタンドが賑わうほどでした。

 

大体、列車が来ないからといって家から迎えを呼んでも、隣の市まで来るのに小一時間はかかるのです。慌てたところで仕方がありません。

 

当然迎えが呼べない者もいます。そういった知り合いを待合室で見かけたら、家まで一緒に乗せていく。これも当たり前の慣習みたいなものでした。

 

 

主要道路は雪が積もり難く、凍結しない工夫がされていて、除雪した雪を避ける為の広いスペースも道沿いのところどころにつくられていました。

 

各家庭では、森が秋色に染まる頃には雪囲いで家を覆い、倉庫や車庫などに置いてある味噌樽などもその囲いの中に移動させていました。これは車庫や倉庫の扉が雪に埋まって開けられなくなっても困らないようにするためです。

 

それに雪の季節は買い物に出るのが大変なので、雪が降り始める前に大量のじゃがいもや白菜、それに塩鮭を丸々一尾、囲いの中や軒下に吊るしたりして備蓄していました。

 

あらゆることが雪が深く積もることを前提に考えられ、その冬を越すために備えをしていたように思います。

 

そこには雪国に暮らす知恵と心構えが常にありました。
その根底は、強引にでも雪をどうにかして日常を貫こうとするのではなく、雪に閉ざされた中の厳しい自然にさえ寄り添いながら、しっかり備え暮らしを守る姿勢だったように感じます。

 

まだ冬は続きます。これからも東京にも雪が降るでしょう。
どんな自然の厳しさの中でも、その姿勢を忘れずに暮らしを紡いでいきたいと思います。

 

 

ミッションパート
佐藤 真樹