写真家星野道夫さんがエッセイ「旅をする木」の中で
こんなことを言っているんだよって、
以前、教えてもらったことがあります。
「いつか、ある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見たとするだろ。もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって?」
「写真を撮るか、もし絵がうまかったらキャンバスに描いてみせるか、いややっぱり言葉で伝えたらいいのかな」
「その人はこう言ったんだ。自分が変わってゆくことだって…その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことだと思うって」
教えてもらったこの言葉たちが、
その時の自分、そして今の自分の大切な
生き方の指標の一つになっています。
人を変えよう、人に教えよう。
これはとても難しいことです。
教えれば自ら学ぶ機会を奪うことになったり、
変えようとすれば自ら変わる機会を奪うことになったり、
結果、変わったとしてもそれは見た目だけで
時には意欲が伴っていなかったり、不満が生まれたり。
簡単なことではありません。
子どもたちを見ていると、
自らが感動し、そして変わっていく姿を見て
あるいはその感動を自ら反芻し、味わっていたり。
ほかの子どもたちが憧れたり、興味をひかれたり、真似したり。
そもそも、伝承や伝達はそういうものなのかもしれません。
自らの感動する姿や、楽しく変わっていこうとする姿を
子どもたちから学んでいきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海