日本にある大方の田んぼは、
「稲」だけを育てるために農薬を使います。
様々な種類の雑草を除去するためには、
それぞれの草をやっつける薬を散布します。
また、地中の虫や根粒菌も、
田植えがしやすいようにと、地中深くまで
機械でミキサーのように耕していきます。
冬の間に虫が繁殖しないようにと冬季は水を張りません。
「稲」だけを育てるための環境が整えられた田んぼに
植えられる苗。
ここにもしも、虫が入ってしまえばすぐに食べられてしまったり。
病気に弱かったり。
自ら育つ力を信じず、
人間が「やってあげる」ことで育てるという考えでは
生きる力は育まれづらいのは、人間だけではないようです。
今回、草取りを行った藤崎農場さんでお借りしている「むかしの田んぼ」
なるべく自然界の環境を傷つけないようにと、
虫も排除せず、農薬も使わず、生き物一杯の環境を保ちます。
しかし、生き物一杯の環境の中で、
どんな苗も自然と育っていくのかというと
どうやらそうではないようです。
前述の「稲」だけを短期間で効率的に収穫しようとする
田んぼの苗では、弱くて虫や生き物に負けてしまうそうです。
だからこそ、苗の時からしっかりと生きる力がつくように
少し時間をかけて、寒い時期から育ててあげるそうです。
そうすることで、強く、たくましい苗になるそうですが、
なんだかこれも、乳幼児期の子どもたちの育ちを見守ることとも
共通するのかもしれません。
ミマモリスト
眞田 海