先日「花祭り」の室礼で盛った「ホトケノザ」。
その周りに、沢山の種がこぼれていることに気付きました。
道端で咲いていた野花なだけに、
やはり沢山の種を飛ばし、強い繁殖力を持つのかと思い調べてみると、
なかなかすごい生存戦略を持っていました!
そのピンクの花の形は、蜜だけ横取りされないよう長い筒状になっており、
蜜を求めてやってくる虫たち(小さな蜂等)に、受粉を手伝ってもらって
子孫を残すという方法を選んだわけですが、
「もしも虫たちが来てくれなかったら…」ということを考え、
自家受粉できるしくみを持った花も作ることにしたようです。
それは、蕾のなかで受粉が完了する仕組みの「閉鎖花」というわけです。
更に、種子にも仕掛けがあり・・・
種にはアリにとって魅力的な「エライオソーム」という粒子がくっついていて、
アリは、そのエライオソームのついた種子をどんどん運ぶそうですが、
しばらくするとエライオソームが取れてしまい、
そうなると、アリは種子には見向きもせず・・・
その結果、ホトケノザの種子は、広く散布されることになるというわけです。
実は、身近な植物にも様々なドラマや、生存戦略があることを知り、
生き物としての強い力を感じます。
植物たちの個性を活かした危機管理を見習って、
自分自身も進化できたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子