先日4歳になったばかりの娘が、空を見上げてケタケタと笑い転げていました。あまりに楽しそうにしているので、その理由を尋ねてみたのですが「ひみつ。」と言って教えてくれません。そしてまた別の日にも、娘は空をじっと見つめていました。
今度はその理由を体感すべく、私も彼女の隣で横になり、空を見上げました。光の眩しさに加えて、木々が揺らぎ、雲の流れ…。不思議と立っている時には入ってこなかった「虫・鳥・自然の音」が耳に入ってくる感覚を憶えます。お互い隣同士ではあるものの、しばらく静かに、会話もせずにその空間を味わう時間となりました。
結局娘がなぜ空を見上げるのか、なぜケタケタと笑い転げていたのか、その理由は分かっていません。ただ空を見上げる時は、足を止めて、上を見上げます。じっと動かず、あまり言葉も交わしません。日常生活では家族・友達など「人」を通じての刺激・楽しみで溢れていますが、もしかしたら、彼女は「自然」を通じての刺激・楽しみを見つけて愉しんでいるのかもしれません。
大人になればなるほど、日々忙しなく過ごしてしまい、足を止めて空を見上げる機会などほぼ持たずとも生きていくことが出来ます。ただそんな豊かな楽しみを忘れることなく、さまざまなモノとの対話を大切にしていきたいです。
エールキーパー
秋山有紀子