子どもの通う小学校の保護者会に出席するため、小学校を訪れた時のこと。
下駄箱に貼られている一枚の紙に気付きました。
これは校長先生が貼られたもののようで、ちょうど通りかかった校長先生ご本人に運良くお話しを伺うことができました。
これは長野県の円福寺というお寺の住職が書かれたもので、鎌倉時代の「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という教えが元になっているそうです。
「脚下照顧」とは自分の足元を見なさい、自分の履物すら揃えられないようで何ができるか、という戒めもありますが、自分を振り返りなさい、自分の立場を見極めなさい、するべきことをしなさいという教えだということです。
先日、毎年行っている児童アンケートの結果で、「教室や廊下にごみが落ちていたら拾って捨てるように心がけている」の項目の答えが「そう思う」「まぁそう思う」の2つを合わせても69%だったのですが、それは全項目の中で一番低い数値だったそうで、
これに関しては、高い技術が必要な訳ではなく心がけ次第で誰でもできることなのではないかと校長先生は思い、どんなに忙しい時でも心にゆとりを持って、子ども達にもまずは履き物を揃え、心を整えるところから始めてほしいと掲示された、という経緯があったそうです。
実際に「はきものをそろえる」を貼ってみてどうだったかというと、徐々に靴の踵がきれいに揃っている子が増えてきているそうです。
自宅に戻ってからうちの子ども達にも聞いてみると、掲示されていることはもちろん知っていましたが、「校長先生がみんなの靴を揃えていて、すごいなぁと思った」と話していて、
校長先生自ら、子どもたちに伝えたい姿を実践していることに感動しました。
私も普段から子どもたちに「靴は必ず揃えること!」と口を酸っぱくして伝えてはいるものの、なかなか浸透せず…。
なぜ揃えることが大事なのかを伝え、自ら実行する姿をもっともっと見せていきたいと感じます。
今回の校長先生のお話から、そんなに大層なことでなくても、人としてできることを毎日の生活の中で丁寧に行っていくことの大切さを改めて学ばせてもらいました。
どんな場所でもどんな時代でも、子どもたちに伝えていくべきはどんなことだろうかと、毎日の生活の中から見つけていきたいと思います。
美化コーディネーター
眞田 由莉