社内のプランターのトマトが真っ赤に色づき食べごろを迎えました。
このビルの窓はすべてはめ込みで一切開きません。
ですから風も吹きませんし、周りはビルで囲まれているので朝しか陽も当たりません。
しかも水やり以外、肥料などの手入れは一切していません。
そんな厳しい環境の中でも、自分の力で逞しくすくすくと育ち、立派に実をつけてくれました。
さっそく熟し過ぎてはと、お昼に皆で有難くいただくことに・・・・。
小さいながらトマト本来の旨味がギュッと詰まった味わいに一同の頬が緩みます。
近ごろはトマトの青臭いにおいが苦手という声に応えて品種改良が進み、臭みのないフルーツのようなの味わいのものや、甘みが強く酸味をほとん感じないものが多く流通しています。
ひと昔前のトマトは、青臭さももっと強く酸味もはっきりしていて決して甘い野菜ではありませんでしたから、お塩はもちろんこのこと、お砂糖をかけて食べたりもしたんです。
その頃の野菜はどれも野性味が強く、いまより圧倒的に食べにくかった気がします。
品種改良というと、あまりいいイメージは持ちにくいかも知れませんが、その技術のほとんどは、優れた特性を持つ別々の品種の花粉を人の手でひつひつ交配させていくものです。それを長い年月をかけ何度も繰り返すことで、ようやく食べやすい美味しい野菜が完成するのです。
これまで栄養価が高くても味が苦手で食べられなかったものが、そうやって美味しく食べられるようになったいまの時代は本当に幸せだと感じます。
世の中に美味しいと思えるものが溢れすぎて、多くの人がそのことに気づけずにいることがとても残念です。
いま自分が置かれている環境がどれほど恵まれているのかを、いつも心に留めておきたいと思います。
ミッションパート
佐藤真樹