熊野三山と総称される
「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」「熊野那智大社」に行くと、
三社とも、三本足の「八咫烏(やたがらす)」を神紋に使っていました。
烏は一般的に、不吉な鳥とも言われてますが・・・
実は、方角を知るので、未知の地へ行く道案内や、
遠隔地へ送る使者の役割をする鳥とされていたり、
太陽の化身ともされているそうです。
「日本書紀」では、初代の神武天皇が、
熊野から大和国に入る際に、熊野山中で道に迷われた中、
天照大神の使いとして道案内をしたのが、八咫烏だったと記され、
八咫烏の先導を得た天皇は、険しい山を越えて大和軍の背後を襲い、
大和を平定すると、橿原に宮殿を築いたということです。
そんな神話の舞台にもなっている熊野で目にする烏は、
どこか美しく、縁起のよさを感じる程でした。
このような「烏」への見え方の変化のように、
歴史や背景を知ったり、その土地での価値観を知ることで、
こちらの見え方も変わってくることを感じ・・・
自分の価値観と異なる時は、「それは違う」と否定したり、
自分の価値観を押し通すのではなく、
「きっと自分では理解できない理由が何かある」のだと受け容れ、
寄り添い認める姿勢を大事にしたいと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子