1年程ぶりに福岡県飯塚市にある聴福庵に来ています。
久しぶりのはずなのですが、あまり久しぶりの気がしない。ただ以前訪れたときよりも、きれいになっていることを感じます。
この1年間、私自身は聴福庵を訪れていませんでしたが、たくさんの方が聴福庵で過ごされていたことを写真や動画を通して見聞きしていました。
そのシーンを思い浮かべながら聴福庵で過ごしていると、床下に潜って炭を入れたり、井戸を掘ったり、聴福庵での懐かしい思い出が蘇り、あの時期があって今があるのだということを感じます。
思えば肉体労働が続き、身体的にはきつかったですがどれも良き思い出であり、同じ仲間と、同じ体験はもうできないと思うと、その時にしか味わえないものがあることを教えてもらっているようでもあります。
聴福庵に到着した夜は当主不在の中で過ごしましたが、室内はたくさんの花々に囲まれ、そこには当主からの温かなおもてなしを感じました。
花器や花瓶に活けられた花々は、どれも美しく、紛れもなく忙しい中でも来られる方をもてなそうと花を取りに行き、花を活けられた姿があったことが見えてきます。
以前の自分にそういうことが見えていたかなと思うと気付かず過ごしていたと思います。聴福庵から、そして当主の姿勢からまた一つ学びを頂いたように感じます。
来るたびに発見のある聴福庵から丁寧な暮らしを1つでも学び、持って帰りたいと思います。
ミマモルジュ
奥山 卓矢