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道具が人を育てる

聴福庵にかつお節削り器が届きました。

 

こちらは、現在日本に4件しか残っていない

「鉋」の刃を従来通りに人が打って製造している

新潟の職人さんに作っていただきました。

 

鉋の刃は「青紙一号」と呼ばれる鋼を使っており、

大変に硬く、切れ味も鋭く、永く切れ味が持続します。

 

その代わり、扱いが非常に難しく、作ることも研ぐことも

大変な熟練した技術が必要になります。

 

反対を言えば、使う人を育ててくれる刃です。

 

そのかつお節削り器が奏でる音は、

とても美しく、軽やかです。

 

そして、今まで食べたかつお節はなんだったのかというくらいに、

粉雪のように優しく口の中で消えていきます。

 

切れ味が良いということは、それだけで

素材の味を引き出したりすることができるのだと驚きました。

 

刃物を研ぎすますように、自分自身も研ぎ澄まされるほどに

磨いていけば、きっと何かのお役に立てるのだろうと思います。

 

 

ミマモリスト 眞田 海