昆布のだしの取り方を調べていたところ、
昆布を60度のお湯で40分~60分じっくりと煮だしてあげると、
美味しくなるという人がいました。
普通に煮出し、沸騰する前に昆布を取り出したものと、
じっくり60度で煮だしたものを比べてみると
簡単にいうとじっくりの方が、優しくて透き通ってる味がします。
雑味がなく、香りも違います。舌触りも、すっきりしています。
普通に煮出した方は、磯の香り、昆布の香り、味も舌触りも、
全部はっきりしているような感じです。
昆布の部位も同じ部位を使ったので驚きです。
味は好き嫌いですからどれがいいというわけではありませんが、
関わり方で出てくる味わいが違うというのはとても面白いものです。
鰹節も同じでした。梅干しも同じでした。
生ハムも、塩からも、柚子胡椒も。
釣った魚も、どうやって締めて処置をするかでも全く違う味になりました。
持ち味の引き出し方にはいろんな引き出しがあり。
どれかが自分の好みと合うんでしょうね。
この数年で、持ち味の引き出し方を沢山勉強し、
沢山失敗してきましたが、お陰でただの「体験」ではなく
「経験」と呼べるまでの学びと意味づけがいくつか出来ました。
料理とは人生を豊かにする智慧の塊だと思います。
一度覚えたその智慧は、
その後の人生をずっと楽しませてくれます。
それらの智慧が使えるのは料理に限らず
人生の様々なところで、いつも一緒に歩んでくれるように思います。
ミマモリスト 眞田 海