皆さま、こんにちは。
立冬を迎え、冬らしい寒さを
感じるようになってきましたね。
今月初め、カグヤでは樹木研修として
森林インストラクターの渡辺さんの案内のもと
高尾山に登りました。
高尾山には樹齢300年のブナが3本だけあります。
本来、ブナは寒い土地に生息しており
温暖な関東のこんなに標高の低い山で見られるのは
とても珍しいのだそうです。
推察するに、300年前の関東は
今より3~5度くらい気温が低かったとか。
でも、そのブナも間もなく寿命を全うするのだそうです。
そうなると高尾山にはブナはなくなってしまいます。
地球の気温上昇で生育環境が合わなくなり
せっかく落とした実から芽生えても
大きく成長することができなかったようです。
これも自然淘汰なのでしょうか・・・。
心がチクリとします。
この300年、樹木たちには
人間がどんな風に見えていたのでしょう。
いくつもの戦火を潜り抜け
森を切り開き住まう人々を見て
何を感じたのでしょう。
閃光のごとく文明が進歩してゆく様を
どんな気持ちで見守っていたのでしょう。
300年という途方もなく長い時間を
私たちは自然に対して
恥ずかしくない生き方をしてきたでしょうか。
ずっと自然に寄り添えていたでしょうか。
あと数年で枯れゆくブナ。
その天をも貫く太い幹に刻まれた時間を
想わずにはいられませんでした。
ミッションパート
佐藤真樹