こんにちは、眞田です。
随分と前の事ですが、大阪は堺に出張に行った帰り
予てから興味を持っていた「包丁」屋さんに寄ってきました。
堺は日本の料理人が使う包丁のシェア90%を誇る包丁の町。
「付け焼刃」ではなく「本物の包丁」を作ることが出来る
職人が集う数少ない地域です。
お店に入り、4代目の御主人とご挨拶をし、
「味を足す」のではなく日本料理の「味を引き出す」という概念を体得したいこと。
まだまだ素人だけれども、その身分にあった「本物の包丁」が欲しいこと
それを伝えると、とてもすてきな笑顔で迎えて頂き、
3代目まで呼んでいただき沢山の包丁談話をしていただきました。
本物の包丁は素材の味を邪魔しないこと。
本物の包丁は人を育てるという事。
本物の包丁は料理が楽しくなるという事。
本物の包丁はずっと本物だという事。
沢山の考え方を教えて頂き、
砥石の使い方などの技術も教えて頂きました。
そして、最後に包丁を選んだとき、
4代目から頂いたお言葉は、
「せっかくだから自分の為に買うのではなく、奥さんの為に買う事にしたらいい。」
「奥さんの名前を彫りましょう」
と、3代目に頼んで妻の名前を手彫りで彫って頂きました。
「家庭の味、家庭の文化はお母さんが作るから。」と
ついつい、自分の為にばかり考えていた意識を、
一家の為に切り替えて頂いたこと。。。
本当に有難いご縁となりました。
それから数か月、我が家の食卓を支え、
味を引き出す大切な存在として、見守ってくれています。
あまりの切れ味に未熟さが現れたり、
意識するあまり不自然になる瞬間があったり、、と
今も包丁に育てて頂いている最中ですが、
この見守りの中で、夫婦で成長していきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海