「端午の室礼」のお稽古では、
五色の奉書が用意されました。
五色はそれぞれ五常の心「仁・礼・信・義・智」を表すということで、
心をこめてそれらの色奉書で兜を折り、しつらえました。
そんな中で、先生からは
「五色はそれぞれ五常の心を表すが、それだけにとどめないように」と、
注意がありました。
「染料は、自然からのいただきものであり、色の中には命がある」
ということです。
そして続けて、
「去年折った兜を、まだ持っている人いますか?」と聞かれ、
手をあげたのですが、
本来、端午の節句は子どもの成長を祝う行事であると同時に、
古来の思想では「邪気祓い」の意味があるため、
端午の節供が終わったら、
色奉書で折った兜は、いつまでもとっておかないで、
しっかり祓わないと、悪いものがたまってしまうということです。
こいのぼりの五色の吹き流しも、
五行説に由来し、邪気を祓うという意味がありますが、
あの「風」で泳ぐのも、「祓い」と同じことのようです。
そんなわけで、今回せっかく?とっておいたこともあり、
去年折った兜と、今年折った兜を比べてみたところ・・・
確かに今年の兜の方が、色も鮮やかで、
持った時の感覚も、生命力が強いようなかんじもし、
不思議と違いがあるのがよく分かりました。
この兜ひとつをとっても、まだまだ行事の本来の意味や、
ものに込めている心など、分かっていないことを痛感し・・・
繰り返しながら、深く体に落とし込んでいけたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子