昨日は鎌倉を拠点にされている方にお会いし、お昼ご飯には「点心庵」で「建長寺公認のけんちん汁」をいただくことに。^^
私も初めて知りましたが、実はけんちん汁は鎌倉市の郷土料理で、建長寺発祥の精進料理ということで・・・
大根、人参、ごぼう、里芋、こんにゃく、豆腐をごま油で炒め、しょうゆで味を調えたすまし汁のこと。
その昔、建長寺の小坊主が豆腐を床に落してグチャグチャにしてしまい困っていると、蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が壊れた豆腐と野菜を煮込み、とてもおいしい「建長寺汁」をつくり、これがなまって「けんちん汁」になったとか。
また、野菜も乱切りが多いですが、これも建長寺で食べ残しや調理で残った「残菜」を生かした料理であった名残といわれているようで、おいしいだけでなくとても大事な教えの込められた料理なのだと知りました。
更に、箸袋の内側には「食事五観文」なるものが書かれていました。
一には、功の多少を計り彼の来処を量る。
二には、己が徳行の全欠を忖って供に応ず。
三には、心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす。
四には、正に良薬を事とするは形枯を療ぜんが為なり。
五には、成道の為の故に今此の食を受く。
食事も修行になるのだという驚きと共に、改めて食事をいただけることへの感謝を忘れずにいたいと思いました。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子