ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2015/05/26

「お片付け」

先日、ある園の先生に、
「どうしたら子ども達がちゃんと片づようになるの?!」
と、ご相談を頂きました。

子どもが自ら、片づけられる環境を用意するには、、と
環境を整えたものの、4月から2か月。
一向に子どもが片づけられる様子が見られません。

そこで今日、熊本のある園さんで、お話をお聞きしました。

旧園舎から新園舎へ移るための仮園舎になった時、
今まで子ども達が片づけられていたのが急に片づけられなくなり、
各コーナーは泥棒が入ったかのような、荒れ具合だったそうです。

そこで、様々な試行錯誤をしたそうです。
罰を与えてみたり、子ども達に話し合わせてみたり、
教え込んでみたり、、といろんなことを試しましたが、永続的な効果はなく。

結局、立ち返ったのは
① 子ども達がまず、新しいレイアウトをちゃんと覚えるまでは、片づけられないので、
無理に片づけさせるのをやめて、覚えるまでは先生が片づけて待つことにした。
② その場を知らない第三者の大人でも、落ちているおもちゃをどこにしまえばいいのかが
分かるくらいの環境設定にしてみた。
③ 子ども達の発達や興味関心と関係ないおもちゃになっていないかに注意した
④ 本当はその時にやりたい遊びが他にないか。子ども達の意欲を邪魔していないかに注意した。

という事でした。
すると、次第に片づけられるようになり、1年経つと、自分達の作りかけのおもちゃ以外は
ちゃんと綺麗に片づけられるようになったそうです。

いつも、子ども自身は自ら出来るようになる存在なのだと信じ切り、
子ども達を大人が直接育てようとするのではなく、
子ども達が自ら育つ環境を用意するという事から
軸を曲げずにいる先生方の言葉をお聞きすると、
保育とは本当に深く感じるとともに、
それは、なにも子育てに限らず、人の育ちに関わるという事では
大人でも共通するところかもしれません。

このことをご質問頂いた園さんへお知らせすると
とても喜んで頂きましたが、実践はこれからです。

また、教えて頂いた園さんへご報告を差し上げると、
「うちも、沢山今まで教えてもらってきたので、お役に立ててうれしい」
と仰っていただきました。

恩送りの豊かさや、Do see planのプロセスにある
豊かさを味わいながら、歩んでいければと思います。

ミマモリスト
眞田 海