こんにちは。女将です。
古くからの友人たちと久しぶりに食事をしました。
全員、スポーツジムで知り合った面々です。
出会った当時は全員独身で、これまでの恋愛事情から
転職、結婚、出産と、人生の軌跡を目撃し合ってきた仲間です。
その中に私を妹のように甘やかす、兄のような友人がいます。
その彼が最初にみんなの前に現れた当時は、
まさかこんな風に一緒にご飯を食べたり
ましてや、これほど長い付き合いになるなど
思いもしませんでした。
それはジムでバスケットをしていた時のことです。
そこには場所柄、当然経験値も実力もそれぞれ違う人間が集まってきます。
そんな中、ストリートバスケを長年していたという男性が参加し始めました。
彼のプレースタイルはとても独りよがりで、ラフプレーの連続でした。
周りにパスを出すこともなく、ボールを手にしたら最後、
一人でゴールに突っ込み、強引にシュートを打ってしまったり、
稀に繰り出してくるパスは凶器のように鋭く、
初心者や女の子は突き指をしてしまうほどでした。
当然、周囲からは不満の声。
ゲーム中、彼にパスを回さないようにしたり、
彼がボールを手にした途端、一切手を貸さない
といった人まで出始めました。
もともと、いつも決まった顔ぶれの参加者たちの中に、
後から加わった形の彼は、当然、孤立した状態になりました。
このアンフェアな状況に、モヤモヤした気持ちを抱えつつ
私も何となく彼を敬遠していました。
でもふと思ったのです。
「彼はひょっとすると好い奴かも?」と・・・・。
そこで思い切って声を掛けることにしたのです。
仲良くなればボールも優しく投げてくれるだろうし、
気にかけてシュートも打たせてくれるようになる
そう考えたのです。
要は友達になってしまおう作戦でした。
かけた言葉は「モッチ、お家どこ?」ただそれだけ。
初めて参加するときに、みんな名前は必ず聞くので知っていました。
望月くんだからモッチ。
彼にしてみれば、初めて声を掛けられたと思ったら、
いきなりニックネームで呼ばれたのです。
ちょっと困惑ぎみの彼の顔はいまだに忘れません。
でもその日からよく話をするようになり、
みんなとも笑顔でプレーができるようになるまで
あっという間でした。
自分が変われば相手も変わる。
そして何より、それを取り囲む人たちも変わる。
とても単純だけど、案外、勇気の要ることなのかも知れませんね。
そんなこんなで10年以上が経ちました。
この日集まったメンバーも、あの時、彼に不満を抱いていました。
でも今では、そんなことすら忘れています。
ホント、振り返れば、ただただ、楽しい思い出です。
ミッションパート
佐藤真樹