昨日は、室礼のお稽古でした。
あまり馴染みがありませんが、
今回のテーマは、9月9日の「重陽の節供」。
月に一度のお稽古ですが、
最初に先生から
「今回は、板書をやめてみます」と
お話がありました。
「板書をすると、それをノートに書き写して、
どうしても頭に入れようとしてしまいますが、
本来は、耳で聞いて
体に落とし込む感覚が大事なので、
今日は試しに板書をやめて、
耳だけでキャッチするのとどう違うのかを
体感してみましょう。」
ということでした。
やってみると・・・
いつもと比べて、受動的に書き写すというより、
どこか求める力も高まったからか、
耳で聞いたことを、主体的に必死にメモをとる
というかんじで、
実際には、まだまだ頭で理解しようとする感覚の方が
強いことを感じました。
ただ、最初にそのような説明を頂いた後に、
実際に自分で室礼をして、
直接、それを先生にご指導頂いたり、
お稽古中の、他の生徒への指導や、
先生の何気ない話や行いの中で、
もともと日本人が持っていた
「命を見る力、感じる力」の高さを
感じることが多くあり、
少しずつ、そんな力を
体で学んでいる感覚を覚えます。
四季のある日本で、自然と一緒に過ごしてきた
日本人だからこそ持っている
繊細な美意識や豊かな感性、
謙虚さや協調性、寛容な心など・・・
世界や未来へと繋いでいけるように、
盛り物や道具など、一つひとつの意味を覚えることも必要ですが、
それを目的とせず、その奥にあるものを引き出せるよう、
お稽古を積み、生活に取り入れ、
先人が大事にしてきた行事を通して
日本人の美しさを、体で学んでいきたいです。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子