こんにちは。女将です。
この夏執り行われた一族の一大イベント、
佐藤家、最後の大法要。
三男、叔父の7回忌
祖母の33回忌
四男、叔父の50回忌
祖父は驚異の70回忌
ちょうど4人の法要が重なり、
本家の長たる叔父も、もう歳であることから
今回が恐らく最後の法要となるということで
一族全員が本家に大集結したのです。
ほとんどは日頃から親交がある親族同士ですが
中には17年ぶりに会う従妹もいて
気恥ずかしいやら懐かしいやら嬉しいやら
何とも不思議な気持ち・・・
「おお~っ!大人になってるぅ~」
瞬間、面白いように
17年の空白は一気に消し飛び
毎日のように顔を合わせる家族に戻ります。
昔から、我が一族は本当に仲がいい。
それが自慢。
祖父が出兵してから
6人の子どもを抱え、
北海道に疎開した祖母は
知人宅の狭い一室に身を寄せ命を繋ぎ、
祖父が亡くなった後も
方々の親戚宅を転々としたそうです。
食糧難の時代です。
農家と言えども、こんな大人数で押し掛けられたら
たまったものではありません。
「出ていけ」
と言わんばかりの嫌がらせを受けながらも、
祖母は頑として居座り、子どもたちにだけは、
僅かでもご飯を食べさせていたと言います。
そして子どもたちもまた、食事の代償として
朝から晩まで農作業や
ありとあらゆる雑用をしていたそうです。
そうしてお互い助け合い、
最悪の時代を生き抜いた家族。
だからこそ絆も結束も強いのだと思います。
その結束力は毎年夏になると発揮されます。
春になると本家から一斉召集の知らせが届きます。
そして夏には本家に全員が集合し、
お墓参りの後、必ず温泉に1泊するのです。
夜は決まって大宴会。
舞台付の宴会場で
呑めや歌えの大盛り上がり。
宴会後、大人たちはカラオケへ、
子どもは部屋に集まり夜遅くまで大騒ぎ。
母親は皆、そんな子どもたちを見守りつつ
ママバナに花を咲かせるのです。
ずっとずぅ~っと笑っていれた幸せの時間。
この頃は皆が大人になったら、きっと宴会も
静かになるものだと思っていました。
でも、実際変わることはなく
ビックリするほど、まんま。
ただ―
あのときいた優しくも厳しい大人たちは
もうここに居ません。
けれど、いまここには
未来に瞳を輝かせる子どもたちがいます。
そしてその子どもたちの心の中にも
いまは亡き家族たちが生きています。
きっとこの子たちもまた、
私たちがそうであったように
この一族に受け継がれてきた絆を胸に
大人になっていくのでしょう。
この子たちが、いまの私たちと
同じくらい歳を重ねたとき、
願わくはこの世界が平和で
笑顔に溢れていますように。
ミッションパート
佐藤真樹