昨日はお正月飾りについて綴らせていただきましたが、
◆お正月飾り
https://www.caguya.co.jp/kurashi/51820.html
今日は鏡餅についてです。
先日の餅つきでつくった鏡餅。
◆餅つき ~2023年~
https://www.caguya.co.jp/kurashi/51793.html
和樂では床の間にお供えさせて頂きました。
それにしても、お正月には「鏡餅」、桃の節供には「菱餅」、端午の節供には「柏餅」というように、お餅(お米)は行事食として欠かせないかんじがありますが、とりわけ日本の行事文化の大黒柱であるお正月にとって、お餅は特別な意味があるようです。
古来より、新年を司る「年神様」という神様が元日にやってきて、新年の魂(年魂)を授けてくれると考えられてきました。ここでいう魂とは、生きる気力のようなもので、魂を頂戴した回数を数えれば年齢がわかるため、誕生時が一歳、それ以降は元日にみんな一斉に年をとる「数え年」が昔は一般的だったといいますから、今では信じられないかんじですね。
そして、この新年の魂の象徴が、丸い形をした「鏡餅」。三種の神器に「八咫の鏡」があるように、鏡は神様の象徴でもあったため、丸い形をした昔の鏡を神聖なお餅で表すようになり、鏡餅と呼ぶようになったそうです。
そもそも大掃除、門松、しめ飾りなど、年神様を家にお迎えするために成立したものですが、家にやってきた年神様は鏡餅に依り付くとされ、年神様が依り付いたお餅には年神様の魂が宿るとされています。
その餅を家長が家族に分け与えたのが「お年玉」のルーツで、年玉は年魂という意味で、鏡餅のほか、家族分の小さな丸餅を神棚に供え、それを下してお年玉としていたといわれていますから、お金ではなかったんですね。
このお餅をいただくための料理が「お雑煮」で、お餅を食べることで新年の力がつくとされてきたわけで、お年玉はお金に変わってますが、鏡餅をお雑煮にして食べるのはその名残ということです。
また、鏡餅をいただく「鏡開き」には「歯固め」という意味もあり、丈夫な歯で何でも食べられることが長生きにつながるため、年齢の齢という字には「歯」が入っており、年の初めに歯の丈夫を祈って固い餅などを食べるようになったそうです。
こうしてみると、鏡餅、年魂、年齢、お年玉、お雑煮、鏡開き、歯固めなど、重要なことにお餅が関わっており、いかにお餅が大切かがわかりますね。
そもそも一連のお正月行事というのは、年神様を家に迎えて・もてなし・見送るための行事ということで、お正月は年神様を迎える行事、お盆はご先祖様を迎える行事と、どちらも異世界からのお客様を迎える行事だったことを思うと、色々変わった現代では、かえって新鮮な感覚をおぼえる方も多いかもしれません。(私もそのひとり。^^)
そして、部分部分で知っていること、取り組んだこと、体感したことなどが、こうして流れで繋がってくるのも点が線になっていくようでもあり、なんだかしっくりくるというか楽しいことだと感じます。
行事については、四季折々、1年の流れの中で繰り返し取り組んでこそ、自分自身も腹落ちしたり、先人の方々が見てきたもの大事にしていたものなどが理解できることも多そうですから、
螺線のイメージで「事を行い」続けていく中で、古く懐かしいものに新たな価値を伴って甦生させ、子どもたちへと繋いでいけたらと思います。
かぐやかコディネーター
宮前 奈々子