先日、近所の公園で
ススキとセイタカアワダチソウが並んでいるのを発見!
秋を代表するこの二つの植物について調べてみると
なんだか興味深いストーリーがあるようです。
在来種であるススキは、
秋の日本の原風景でもありますが、
バブルの頃には、外来種のセイタカアワダチソウが
野山や河川敷にあふれてきて、
ススキをはじめ、それまでの日本在来植物たちは、
どんどんと数を減らしていったそうです。
「なぜこんなにも?!」というところですが、
なんと、このセイタカアワダチソウは、
根の先から地中に、
他の植物の成長を阻害する毒をまき散らし、
それによって、他の植物の成長を遅らせ、
結果として生存競争に勝利する・・・という戦略のようで、
更には、この毒は植物だけでなく、
ミミズやモグラにも効き、
セイタカアワダチソウの繁殖し始めた場所では、
他の植物の成長が阻害されるのは勿論のこと、
ミミズやモグラなどの動物も駆逐されて、
ただセイタカアワダチソウのみが大繁殖する・・・
というわけです。
もっとも、この毒の効果は、
セイタカアワダチソウ自身にも効き、
滅ぼすべき他の植物が無くなっても、
毒を出し続けたため、
皮肉なことに、今度はセイタカアワダチソウ自身が、
この毒の影響で滅び始めた・・・といいます。
そんな風に弱ってきた中で、今度はススキが、
セイタカアワダチソウの毒を体内に取り込み、これを中和し始め、
更には、土に栄養素を与えることにより、
自らの勢力圏を広げ、ミミズやモグラも復活し、
他の在来種も姿を見せ始め・・・
最近では、ススキのおかげで、
セイタカアワダチソウが入ってくる以前の姿に、
少しずつ戻り始めてきているそうです。
また、不思議なことに、
いつのまにかセイタカワダチソウは、
ススキやコスモス等、在来植物と共生する
日本型の植物に変化しつつあるようで、
どんなに強いものであっても、勝ち切ることはできず、
適度に弱って、生態系の中に組み込まれていく・・・というのも、
自然なことなのでしょう。
やはり自然界は、
「単一植物だけで一人勝ち」していくよりも、
「多様な生き物が、お互いに活かし合っている」という姿の方が
美しく強いことを感じます。
外来生物を取り込み、最後には共生化させてしまう・・・というのは、
「和を以て貴しとなす」に通じ、
もともとの日本人や日本の植物の特性のようでもあり、
そこに、平和へのヒントがあるような気がして、
自分自身も、大事にしたい生き方だと感じています。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子