昨夜から、福岡の「聴福庵」に来ています。
こちらは、築110年の古民家になりますが、
そんな古民家の再生をする中で、
普段と違う環境に、
感覚が研ぎ澄まされてきて、
そもそもの日本人の暮らしや、
日本人らしさを感じることが沢山あります。
そして、こちらに来て
特に印象的なのは「暗さ」です。
「暗さ」には、どこか怖いイメージもありますが、
古民家だったからか、
実際には、なんだかとても穏やかで、落ち着き、
むしろあたたかな感覚をおぼえました。
また、東京での暮らしは、
朝、起きたら電気を付け、
夜、帰宅したら電気を付け・・・と、
部屋にいる時は、常に照明をつけてますが、
古民家では、必要以上の灯りをつけません。
だからこそ、夜の暗闇の中では、
格子戸から差し込む光に魅せられたり、
灯りの美しさに目を奪われたり・・・・
朝、目覚めた後も、
お湯を沸かす際、かすかな赤い炭火に
目が釘付けになったり、
雨が降っているのに、外の明るさが引き立つため、
その明るさから、太陽を感じるほどでした。
そんな、普段は出逢えない、気付かない
「明暗」を感じることで、
明るさも暗さもどちらかだけで存在しているわけではなく
表裏一体であることを感じ、
明るさ暗さのどちらにも、
感謝の気持ちが湧いてきました。
そう思うと、日本家屋に住んでいた昔の人たちは、
こんな明暗のある暮らしからも、常に自然を感じていたため、
謙虚でいられたのかもしれません。
私自身も、普段から明暗をちゃんと感じられるような、
自然に沿った暮らしをしていきたいです。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子