今日は北海道の二風谷にあるアイヌ文化博物館へ
そして、アイヌモシリ一万年祭の会場の下見に行きました。
二風谷のアイヌ文化博物館では、5つのチセ「笹葺きの家」を
見せて頂き、寝っ転がり、座ってみたりとしてみたのですが、
感じるのは、どれも合理的であるという事です。
チセはどの家も同じ様式で立てられ、
窓の位置も建てる向きもどれも同じです。
夫婦の寝室も子ども部屋も同じ場所に
どのチセでも作られるのだと今日教えて頂きました。
それは、-40度の冬を越し、
命を長らえる為の智慧でした。
命に替えてでも伝えて行かなければならない
智慧だったのだと感じます。
その昔、日本人が北海道を開拓した際、
日本家屋を建てたのですが
厳しい冬を越すことが出来ず、
毎年冬はチセで過ごすという事があったそうです。
それほどに大切であったチセが今は全く伝承されていません。
それは、「自然というものの元本に手を出した生活」を
今の私たちがしているからと言うのも一つの原因かもしれません。
アイヌの人々に限らず、人間たちはそもそもは
「自然との共存」が出来なければ自分達の種を滅ぼすことに繋がるからこそ、
「自然の恩恵、利子」だけで生活をしてきたようです。
毎年人間が暮らそうと、何をしようと、そもそもそこにあった
自然界の財産の元本には手を出さなかったようです。
人間が自然と共生する為に必要な生き方。
それこそが人間という種が生き残るために
必要な智慧であることを教えて頂きました。
どうしたら、元本に手を出さずに
利子で暮らせるのか。
この時代だからこそ、その働き方、
生き方を見つけていきたい。
一円対話も、自然農も、古民家も、
どれもが「利子」を生み出す実践のように感じます。
やり方を変えるのではなく生き方を変えていくような
「福」となるまなざしを、今回の理念研修から
学んでいきたいと思います。
ミマモリスト
眞田 海