ミマモリストの実践

ミマモリング=心を寄せること。

カグヤでは一緒に働き、一緒に生きる中で、お互いに心を寄せ、思いやることの大切さと、そこで生まれる感動や豊かさを大切にしたいと思っています。ただ仕事をするのではなく、自分の心の環境がそのまま仕事に表れるからこそ、「心を寄せること」を大切にしていきたい。そんな「ミマモリングを実践していく人々=ミマモリスト」の取り組みをご紹介いたします。

2016/08/17

「分けない」

今日はアイヌモシリ一万年祭に行ってきました。

「自然界の利子で生きる」アイヌの方々にとって、
食べ物や衣服はすべて自然の神(カムイ)が形を変えて
自分達に与えてくれていると考えられています。

そして、頂くばかりではなく、
カタチを変えて人間たちの目の前に送り届けて下さった
カムイを天界に送り返す儀式「カムイノミ」を行います。

その会場で、この祭りを28回も開催している
主催者であるアシリ レラさんにお話をお聞きしました。

お祭りを始めたきっかけをお聞きする中で、

アイヌの人たちの墓を守るために
やっているのだと教えて頂きました。

新冠からの強制移住を受け、二風谷の地に住んでいたアイヌ民族。
彼らが住んでいた各地には武器を持たないアイヌ民族に対する虐殺の歴史があります。

しかし、その真実はどこに行っても別の観光地的話題で上塗りされています。

それが「勝者が作った歴史」と言うものだとレラさんは仰います。

勝者と敗者。どちらかも聞いた事実からしか真実は見えてこない。
そう仰います。

文字を持たないアイヌ民族は口承継承です。
なんと4代前のことまで鮮明に記憶し、伝えることができるそうです。

レラさんは語り継がれてきたこの真実を伝えるために。
28回もの間、この祭を開催されていました。

レラさんのあるインタビュー記事では、
この「一万年祭」と言う言葉の意味をこう話していらっしゃいました。

『一万三千年前は日本も大陸と陸続きでした。
当時はアイヌの祖先である縄文人が南までいて、
後からきた渡来の文化と融合して日本の文化が形成されているので、
もちろん日本人は混血だし、アイヌも今は赤ちゃんに蒙古斑が
出るようになりミックスが進んでいます。
長い間、血と破壊の歴史は繰り返されたけど、
一万年前はすべての人は神の子で、大地はウレシパ・モシリ(互いに育ち、育み合う大地)だった。
だから一万年前の原点に戻ろうという思いがあります。
会場のあるここは、新冠の御料牧場建設のために強制移住させられたアイヌがいた場所。
同じように労働に従事して亡くなった朝鮮人、日本人の慰霊も兼ねて毎年お盆の時期に行っています。』

「なぜアイヌの人たちは争わないのか。武器を持たないのか」
と言う事について、レラさんは

「争うのは、自分の領土や自分の物と言う概念があるから。国と言う概念があるから。
アイヌの人々は、土地も何もかもは地球の物と考えている。だから貨幣と言う概念も
争うという概念もない。だから武器を持たない」

そう仰います。

まさに、一万三千年前から変わらぬ普遍的な真実なのだと感じます。

「分ける」と言う考え方が自分の物や相手の物という
比較や所有という価値観などを生み出し、貨幣が生まれ。。。

今のこの経済社会はその発展と共に争いが複雑化し、
国同士の戦争や抗争が絶えません。

国と言う単位でもそうですが、
社内という単位でも、
分けずに「団結」することの大切さが
この時代だからこそ、どんどんと必要になってくるのだと思います。

地球からの頂きものであるという価値観。
大切にかみ砕き、実践していきたいと思います。

ミマモリスト
眞田 海