こんにちは。大河内です。
今年も例年通り、夏季実践休暇では
新潟県南魚沼市にある妻の実家に帰りました。
滞在中の隙間時間で読もうとしたのが
『逝きし世の面影』という一冊の本です。
これは、幕末から明治にかけて来日した外国人の
「当時の日本」についての声が多数記録されたもので
十年ほど前に一度読んだことのあるものでした。
600ページに及ぶ著書であるため、
まだ全てを読み返した訳ではないのですが…
改めて読んで印象的だったのは
「人々は幸福で満足しているように感じる」
という声がとても多いこと。
また、日本の自然の美しさだけでなく
当時の日本人の「自然と親和する暮らしぶり」に
驚きや賛嘆の声があがっていることでした。
一例を挙げると、以下のようなものがあり
日本という国の風土が醸成した生き方や暮らし方を
今一度思い返す必要があることを感じます。
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「日本人は何と自然を熱愛しているのだろう。
なんと自然の美を利用することをよく知っている
のだろう。安楽で静かで幸福な生活、大それた
欲望を持たず、競争もせず、穏やかな感覚と
慎ましやかな物質的満足感に満ちた生活を
なんと上手に組み立てることを知っているのだろう」
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そんな著書を読みながら、ふと実家の外を観れば
米どころであるここ南魚沼の田舎の地には
まだまだ日本らしい美しい田園風景が広がっており、
たまたまかもしれませんが、私の実家に関わる方々は
皆、派手ではない田舎らしい素朴な暮らしの中に、
穏やかな時間の使い方や、日常の中にある小さな幸せを
たくさん感じている方が多いように思えました。
『逝きし世の面影』というタイトルではありますが
過ぎ去った時代を夢物語のように味わうのではなく、
しっかりと目の前の現実に照らし合わせ、
今の時代に残るもの、その本当の価値を見出し
後世に繋いでいく働きを目指していきたいと思います。
ビジョンリスナー
大河内 盛友