今日のカグヤクルー日記

クルーそれぞれの理念の実践や気付きを交代で掲載しています。

2017/03/14

「善も悪もない」

こんにちは。大河内です。

先日、お伺いした保育園の本棚で
『ハチドリのひとしずく』の本を見つけました。

鳥

ご存知の方も多いかと思いますが
南米アンデスの先住民に伝わる物語。

森で火事が起き、多くの動物たちが逃げ出す中
小さなクチバシで水のしずくを火に落とし続けて
消そうとする、クリキンディという名のハチドリ。

森から逃げ出した動物たちは
「そんなことして何になるのだ」と笑いますが

ハチドリのクリキンディは
「私は、私にできることをしているだけ」と答えます。

以前からその話自体は知っていたのですが
実際に本を手に取って読んでみると、
物語の先に解説が書かれていて…

その解説を読んで、改めてこの物語の
真の姿を知ることになりました。

翻訳者は最初に
「大威張りの動物たちが、ハチドリをバカにして」
という表現にしていたそうですが…

それではハチドリが正義で、ほかの動物たちが悪、
という話になってしまう。

でも、先住民に伝わる元々の話に、
そんな善悪の区別などなかったのではないか?

森から逃げた動物たちにも、
それぞれに何か事情があったのかもしれない。

…など、書かれていて

今まで、自分はこの物語をわかった気になっていて
ハチドリの行いばかりに目がいっていましたが、

逃げた動物たちの気持ちにも寄り添ったり
全体から何が言いたかったのかを考えてみると
一層、この物語の深さ感じられました。

これはある意味では、私たちが大切にしている
「聴福人」という生き方、「一円観」という
ものごとの見方にも通じているように思います。

善も悪もない大きな視点で、日々いただく機会を
裁かずに受け取っていきたいと思います。

ビジョンリスナー
大河内 盛友