こんにちは、女将です。
8月下旬、福岡の古民家「聴福庵」に
多くのお客様を迎えることになりました。
しかし聴福庵で使用する食器のほとんどは
どれもネットオークションで競り落とした年代物ばかり。
そのため種類も数もバラバラです。
当然、今回のお客様への振る舞いにも数が足りません。
そこで急遽つくることに・・・。
材料は神社の裏に生い茂る竹。
大きくなりすぎて始末に困っているというので
まさに一石二長です。
切り出し担当は力自慢の男性クルーと
熊本から遊びに来ていたパートナーさんです。
必要数は52節分。
“大したことない“
そんな雰囲気漂うなかノコギリを携え
颯爽と神社へ向かったふたりですが
2時間経っても戻ってきません。
さすがに皆が不安になり始めた頃
ようやく帰ってきてみると
トラックの荷台には大量の竹が!!
話によると、竹は切れ目が深くなるごと
大きくしなり、どっちに倒れるか予測不能で、
何度も死ぬかと思ったとのこと。
竹がまるで切られるのを拒絶すかのようです。
そんな竹を使わせていただくのです。
丹精込めねば・・・・。
まず竹を節ふたつ分で切り分けます。
慣れないノコギリに手には豆ができます。
その後、真ん中から縦に割り、
ささくれ立った切り口に鉄ヤスリで平らにします。
その後、紙ヤスリで更に滑らかにしたら完成です。
命がけ(!?)の切り出しから
腱鞘炎寸前のヤスリ掛けまで
出来上がった器は、そのすべてが一品もの。
決して一人の力では作り得なかった
魂のこもった珠玉の器です。
ミッションパート
佐藤真樹