今日のカグヤクルー日記

クルーそれぞれの理念の実践や気付きを交代で掲載しています。

2015/08/06

「偏食王」

こんにちは。女将です。

風邪を引いて3週間・・・・。
いまだ治りません。

昔から免疫力が低く、治癒力も人より弱く、
常に血色が悪いので、いつも心配されました。

インフルエンザなんて
AもBも漏れなくいただきましたし、
近くで咳をしている人がいれば
概ねそれも貰ってきます。

子どもの頃、虚弱体質で
年がら年中お腹を壊し、
貧血もよく起こしていました。
あの頃は極端な偏食で、魚は鮭かサバ缶、
お肉は玉ねぎ多目のハンバーグか
(なぜか)ローストチキンしか食べれず
その代わり野菜は大好きで
煮物も炒め物も、野菜だけを
摘まんで食べていました。
いま思えばそんな食生活が
身体を軟弱にしていたのかも知れません。
後に、生まれて初めて給食に出された
セロリのあの独特の香りの衝撃に、
「食べられない野菜」というものが
人生に初登場するわけですが、
それも今では、お肉や魚と共に
大好きになっています。

実は、こんな偏食王を劇的に変えたのは
たった一人の友人の存在でした。

高校で出会った彼女には
嫌いな食べ物が一切ありませんでした。
何でも美味しそうに食べる人でした。
この頃も少しはマシにったとはいえ、
まあ結構な偏食家でした。
ただ母は子どもの嫌いなものでも
容赦なくお弁当に詰める人でしたから
私もよく残して帰りました。

彼女と一緒にお昼を食べるようになって
お互い気を許せる仲なった頃のことです。
彼女は、おもむろに私のお弁当箱を覗き込むと
満を持したように「美味しそう、ちょうだい!」
そう言うなり、お肉をひと掴み頬張りました。
「スッゴい美味しい!お母さん、お料理上手だね」
それはまるで花が咲いたような笑顔でした。
私はなんだか、嬉しいような
恥ずかしいような、奇妙な気持ちになりました。

単純なもので、他人に美味しいと言われると
食べてみたくなるものです。
試しに口の中へ・・・意外に平気。
しかも美味しいかも?
なんて思えてさえきます。

「あれ?なんで嫌いだったんだっけ?」
もはや、それすら思い出せません。

次の日も、その次の日も、
容赦なく弁当箱にエントリーされる
私の嫌いな食べ物たちは、
その友人に試食され続け
私に新たな発見をもたらしていったのです。

そうして3年。
気がつけば、食の好き嫌いはほとんど消え
母が大嫌いで、ただの一度も
食卓に出さなかったセロリまで、
何もつけずにムシャムシャと
そのまま食べれるようになりました。

いま、私が何でも美味しく味わえるのは
すべてその友人のお陰。
そしてあの3年間のお昼の彼女との記憶は
ずっと私の宝物です。

ミッションパート
佐藤真樹