古民家「聴福庵」では、
漆喰塗りを行うことになり、
先日、左官さんの「漆喰づくり」を
お手伝いをさせて頂きました。
昔ながらの漆喰づくりということで、
原料は、石灰、貝灰、スサ、海藻のりを混合して
つくっていきますが、
まずは「のりづくり」からです!
海藻は「黒銀杏草」を使います。
水に「黒銀杏草」を入れ、
沸騰しないようにかきまぜながら
煮続けること・・・2時間半!
長時間煮ることで、糊分が抽出され、
その後は、ふるいでこして・・・
「海藻のり」のできあがり!
これを午前、午後で2回行ったので、
合計5時間程、ひたすらかきまぜ
「何かの修行かも」と錯覚するほどでした・・・^^;
集中して混ぜている時もあれば、
途中で眠くなったり、考え事をしたり、
筋トレを兼ねてかきまぜてみたり・・・
色々な波がある中、
思い出すのは有名な「3人の石切り職人」の寓話。
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旅人がある町を通りかかりました。
その町では、新しい教会が建設されているところであり、
建設現場では、3人の石切り職人が働いていました。
その仕事に興味を持った旅人は、
石切り職人たちに質問をしました。
「あなたは、何のためにこの石を切っているのですか?」
一人目の職人
「お金をもらうためだよ」
二人目の職人
「将来、腕の立つ職人になるためだよ」
三人目の職人
「多くの人々の安らぎの場となる、
素晴らしい教会を作っているのだよ」
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一人目は、職業へのこだわりはなく、
生活のために働き、
二人目は、職業への誇りを持って、
お金以上の価値を見出して働き、
三人目は、自分が働いた結果、
多くの人が喜ぶことを思いながら働き・・・
同じ作業をしている職人に、同じ質問をしても、
全く異なる答えが返ってくるわけですが、
働く価値観は人それぞれで、
良し悪しが存在するものではない中で、
自分自身はどうありたいかと自問すると、
三人目の職人のような
仕事に対する姿勢を大事にしたいと気持ちがあります。^^
ただ、こんな風に作業的になりそうな仕事ほど、
一人目や二人目の職人のようになっていることも
よくあるもので・・・
「漆喰づくりのためにのりをつくってます」
と言いがちですが、
「日本の暮らしを再生し、
子ども達へ原点、本物を残し繋いでいくため」
・・・などと自然と発っせられるよう、
いつも、ビジョンや目的を思い出しながら、
自分の言葉や取り組む姿勢を見直していきたいと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子