昨日に続き、瓦葺きについてです。
今回、瓦葺きの体験をしたことで、
気付くと、色々な家の屋根に
自然と目がいくようになり・・・
体験を通して、これまでなかった興味関心が
湧いているのを感じます。
そんなわけで、瓦葺きについて、
改めて調べてみると・・・
今回のように
土を水でこねたもので瓦を固定する
「湿式工法」は今では珍しく、
現代では、桟木によって瓦を固定する
「乾式工法」が主流とか。
実際に、今回ご指導下さった職人さんも
土葺きの湿式工法は5年ぶりだったそうで、
その貴重さが伝わってきますが・・・
そんな風に、土葺きの現場が
どんどんなくなってきていることもあって、
今では、それができる瓦葺き職人さんも
少なくなってきているそうで、
先人の智慧がつまったものが
伝承されず途絶えてしまうのでは・・・と、
素人ながらに危機感をおぼえます。
また「湿式工法」は、天候に左右され、
乾燥のため養生期間が必要なので
工期は長くなることもありますが、
「乾式工法」は、乾燥期間の必要が無く、
天候に左右されることもないので、
そんな工期短縮が、最大のメリットのようです。
それにしても、
工期短縮のメリットから見ても、
そこには、
天候に左右されず、思いどおりにしたい
短い期間で早く結果を出したい・・・など、
自分自身も含め、
今の世の中の価値観の傾向が
あらわれているように感じます。
私たちは、先人が繋いでくれたものの中で
生かされているのですから、やっぱり、
自分さえよければ、自分の時代さえよければ・・・と、
自分のことばかり考えず、
次の世代、次の次の世代・・・と長い目線で、
大事なものを未来へと繋ぎ伝承していく
意識や環境を大事にできたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子