聴福庵は、築110年の古民家ですが、長い年月をかけて、家が傾いてしまったということで・・・
昨日はその傾きを戻すため、棟梁はじめ、ジャッキアップのプロの方など大工さんたちが来られ、土台のジャッキアップをするという・・・家にとっても私たちにとっても貴重で大事な日。
そんなわけで、その様子をご紹介したいと思います。^^
聴福庵の1階にあった物を2階や別の部屋に移動した後、
まずは養生して、
襖などを取り外し、
その後、畳や、
その下にある板も番号をふった上で、
どんどん外していきます。
そして、ついに床下が見え、下がっていると言われていた柱の下部分も見えてきて・・・想像を超えるあまりの細さにビックリ!
「よくもこの細さで耐えていたな・・・」と感じるほどに、なんだか痛々しくも見えました。
そこから、いよいよ「ジャッキアップ」ですが、ご用意頂いていた「ダルマジャッキ」では上がらない・・・ということで、棟梁が知り合いの方から「鉄砲ジャッキ」を借りにいって、
レーザーレベルで、高低差を見ながら、
土台を上げていき、床下に束を足して、
ついに5~6cm程土台を上げて、家が水平になりました!
それにしても、よくよく考えたら、今回の土台をあげるという修理は、人で言えば、大手術のようなもの。
床下の柱部分をみるまでは、ジャッキアップの様子など、めったにないものが見られることもあって、どこかワクワク気分でもありましたが、いざ、細い柱の下部分を見てみて、ようやく聴福庵の悲鳴が聞こえてきたような気がしました。
そして、今の今まで、よくねばって耐えていたなと思い、なんだかそこに聴福庵の生き様も見えたような気がしました。
お仕事が終わり、大工さんたちも帰られて、聴福庵も妙に静かな様子でしたが、もしかしたら、そんな大手術が無事に終わり、術後で安静にしていたのかもしれません。
いつも自分が中心で色々なものを見たり考えたりしていることが多いですが、たとえ相手が人ではなく、家や物であっても、もっと、相手をおもいやったり、寄り添ったり、
心配したり・・・と、相手の声を聴いていこうと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子