同僚の勧めもあり、
年末にNHKで放映された「和食~千年の味のミステリー」という番組を、
遅ればせながら、先日見てみました。
和食が主役と思いきや、主役は「米麹」。
この米麹が、和食を作ると言っても過言ではなく、
米麹のことを、学名で「アスペルギルス・オリゼ」といい、
この千分の六ミリしかないカビが、
醤油や味噌やみりん、酒など、
塩以外の日本の調味料の全てをつくっているそうです。
そして、驚くことに、
「オリゼはもともと自然界にはなく、日本人が作り出したものだ」といいます。
自然界に存在する「フラブス」というカビを、日本人が家畜化して、
自然界には存在しなかったカビ「オリゼ」にしたというもの。
オリゼは、日本人がよりおいしい調味料を作る細胞を
「種もやし」として残していくことで、
毒の出ないものや、沢山の核を持つものを優位に選別して、
ふやしてきたそうです。
それは、狼が長い年月をかけて犬になり、
猪が家畜化され豚になったようなものといい・・・
「オリゼはもともと自然界にない」ときいた時は、
一瞬、不自然さから、不気味な感じがしましたが、
実は、日本の風土と、人間が関わったことで生まれた、
日本人ととても仲の良い菌だと思いました。
人間が「支配」するのではなく、
他の生き物と仲良く「共生」する豊かな道を、
選べたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子