自然との共生や、持続可能な社会を求める上で、
「里山」は大きなヒントを与えてくれます。
昔、里山にある森は、社会的財産であり、
規範や節度があったようです。
里山に住む人は、山も自分達の生活も守りながら、
将来への持続を目的とした生活(伐採→植樹→再生の考え方)をしていましたが、
これはかつて、林業が人と森を結び付けていたことに関係するようです。
また、林業を営む森には必ず神社があり、
樹を伐ったら、必ず植えるというようにされ、
これは、木に「神が宿る」と考えから、その大切な木を伐った後、
「植えた木を大切に育てる行為」を神に捧げるという発想があったようです。
目先の利益ではなく、将来へと持続する利益を尊重し、
将来から現在を見て、自分たちの子孫が困らないように今を我慢する・・・
山の再生力を弱める事が、一番、非効率的であり、
山の再生を弱めない伐採が、一番、効率的だという考え方。
見ている先が、目先か将来かによって、「効率的」も随分と変わってくると感じ、
自然に根付いた先人の意識を、自分自身も大事にしたいと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子