今月の社内の室礼は「嘉祥菓子」。
あまり馴染みがありませんが、
旧暦6月16日はお菓子を供え、
日々の無事を感謝し「嘉祥の儀」を行う日。
その起源には諸説あるようですが、
水無月は梅雨時で湿気が多いため、
昔から疫病がはやる季節と恐れられており・・・
国中に疫病が蔓延した848年平安時代、
6月16日にお菓子やお餅を神様に供えて、
疫病退散と招福を祈う「嘉祥菓子の儀」を行い、
元号を「嘉祥」と改めたことにはじまると伝えられています。
・・・ということで、ちょうど関東も梅雨入りしましたが、
今回盛り物として、季節感のある和三盆糖干菓子と金平糖を供えています。
古来中国の陰陽五行説では、
森羅万象は「陰」と「陽」という相反する形で存在し、
それぞれが消長をくりかえすという思想であり、
「木・火・土・金・水」という
五つの要素から出来ていると考えられているそうで、
色で表現すると、青(緑)、赤、黄、白、玄(紫)。
これを方角に合わせると・・・
木 = 青(緑)= 東
火 = 赤 = 南
土 = 黄 = 中央
金 = 白 = 西
水 = 玄(紫)= 北
になります。
「祝い七つ菓子」という言葉にちなんで、
和三盆干菓子と金平糖の菓子を7種盛ってみました。
東西南北天地の6つの方向に盛る人の心を加えて7種類、
色も方向も五行に合わせ、
「季節が正しくまわってほしい」という願いも込めています。
室礼を通して、今生きているのは、自分の力ではないことを、
改めて感じさせて頂いてます。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子