「水無月」の和菓子を深めていくと、
「氷室の節句」という行事があることを知りました。
由来としては・・・
京都の北部郊外に「氷室(ひむろ)」という地名があって、
その山の一角にある洞穴に冬の間に集めた氷を蓄えており、
その氷を毎年6月1日(旧暦)に切り出して、
「御所」まで運んで「天皇に献上」したようで、
この行事を「氷室の節句」と呼ぶそうです。
御所車を仕立てて、うやうやしい状況で運ばれる「氷」は、
とうてい庶民には手が届かず・・・
そんなことから「氷」への憧れを水無月というお菓子に、
かたどっていたようです。
当時は、今のように保冷車もなければ冷蔵庫もないので、
切り出した氷を献上するための行事は、
とても大変だったことが想像できます。
これに因んで、京都では現代でも6月末日(旧暦の6月1日に相当)に
「水無月」を食べるそうです。
今回、和菓子を調べてみると、行事との密接な繋がりが見え、
知らないことばかりで、とても面白いです。
先人達が残してくれた大事なものを、
一つひとつ実践から深めていって、
次世代の子どもたちにも残していけたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子