本日は七夕ですが、あいにくの雨で、
残念ながら、天の川を見るのは難しそうです。
そんな中、社内の室礼も、
先週から「七夕」をテーマにしています。
そもそも七夕は、五節句のひとつで、
「星祭」とも呼ばれているそうで・・・
日本に伝わっていた「棚機女(たなばたつめ)の信仰」と、
中国に伝わる「星伝説」(牽牛と織女の物語)、
裁縫や書道の上達を祈る女性の祭「乞巧奠(きっこうでん)」が、
習合したものだといいます。
また、旧暦の七夕は、夏の収穫期にあたり、
豊穣に感謝する収穫祭の日でもあるそうです。
そこで、今回の盛り物をご説明すると・・・
女性の芸事を象徴する、
琴の弦を上げるための柱である「琴柱(ことじ)」。
裁縫に関わる、「赤い糸を通した七本の針」。
七は七夕の「七」であり、
赤い糸は、偽りのない「赤心(せきしん)」を表します。
また、厄除けであり五常の精神(仁、義、礼、智、信)を表した
五色(青、白、赤、黒、黄)の奉書と短冊を盛りました。
そして、筆は「鹿の巻筆」。
祝詞や願い文を書くのに、
奈良春日大社の神鹿の毛の筆を用いたことにちなみ、
鹿毛と、五色に染めた毛を使っています。
こちらは、学業・家運・商売の上昇を願う縁起物で、
「願望筆」とも呼ばれています。
また、筆置きにした「茄子」は、「物事を成す」にかけ、
沢山の願い事が成就する願いを託し、
更には、旬の野菜の収穫を祝い感謝する心こめて、盛りました。
緑の奉書で作った「梶の葉」は、
昔、七夕に芋の葉に降りた露で墨をすって、梶の葉に和歌を書き、
手習いの上達を祈る風習があったということと、
天の川を渡る舟の「舵」と「梶」をかけています。
恥ずかしながら、今回の「七夕」も、
知らないことだらけでしたが・・・
こうして月に一度でも、行事や室礼を通して、
季節を感じ、感謝の気持ちを感じられることを、
大事にしたいと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子