週末は「重陽の節供」をテーマに
室礼のお稽古がありました。
旧暦の九月九日は「重陽の節供」といっても、
あまり馴染みがありませんが・・・
五節供のひとつで、
「菊の節供」とも呼ばれる、中国由来の行事です。
「九」という数は、
日本では「苦」に通じると忌まれていますが、
陰陽思想では最高の陽数、満ちて極まった数であり、
天を表す数として、神聖視されていたそうです。
月にも日にも「九」が重なる九月九日は、
重陽(陽が重なる)、重九と呼ばれ、
非常に喜ばしい日として、
祝われるようになったといいます。
そんなわけで、今回の室礼では、
菊の花に、菊の形の和菓子、菊酒、
菊座瓜との名を持つ日本南瓜と・・・「菊尽くし」です。
ちなみに「菊」について、
菊は長寿をもたらすおめでたい花、高貴な花で、
強い香りで邪気を祓うとされてきたこともありますが、
先生は、
「菊は本来、一茎一花で、
一つの茎に一つの花しかつけません。
この命と人の命は同格だと感じられるか・・・」
と、仰られました。
長寿を願いながらも、
限りある命だからこそ、一生懸命生きようと、
大切なことを感じる室礼となりました。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子