自然から学ぶ

私たちの復興「自分たちに出来る事をする」

カグヤでは2011年の東日本震災から、自分たちなりに復興を始めました。それは、「自然から学び、自然に沿った本来的な生き方を実践する」こと。これまでの人間都合の生き方を改め、自然のつながりの中で生きる取り組みをご紹介いたします。

2016/11/25

媚びない

先日、京都の秦家を見学させて頂きました。

◆秦家 http://www.hata-ke.jp/index.html

はじめに、奥座敷を案内して頂き、
そちらで話をお聞きしたり、

その後、他のお部屋等も見せて頂いたのですが、

一番印象的だったのは、
最後に奥座敷に戻り、照明を消して、
奥庭を眺めていた時間でした。

秦家奥座敷

その静寂な雰囲気の中で、雪見障子越しに見る庭は、
とても美しく、どこかあたたかなかんじがしました。

「なんでこんなに美しいのですかね?」と
お聞きすると

主人が「媚びてないからですかね」と一言。

確かに、この庭は
誰かに見せようとしてできたものでもなく、

そこでの長い間の暮らしそのものが
映し出されているようで・・・

その媚びない自然なかんじに、
とても魅かれるものがありました。

そして、その暮らしの美しさは勿論、

この家で暮らしている方々と庭との
長年にわたって築かれた関係が、

その美しさを増しているような気さえしました。

それは「あなたの庭は、こちらを向いてますか?」と
以前、主人が仰られた言葉のとおり、

秦家の奥庭では、植物たちが、
太陽の方を向くのではなく、
不思議ことに、こちら側を向いていて・・・

長い時間をかけて、
そこで暮らす方が、庭を愛しく眺め、
庭がそれに応えているかのようでした。

そう考えると・・・

室礼を見ても、誰かにお会いしても、実践をする上でも、
自分自身が、かっこいいな、美しいな、好きだな・・・と
心が揺さぶられるものは、

誰かに見せようとしているものや、わざとらしいもの、
ビジネス的なものでもなく、

いつも媚びていないもののような気がします。

そして、これは勿論、
「いい悪い」「正しい正しくない」の世界ではなく、

私は「そういうものが好き」ということであり、

きっと自分自身が、
そのようにありたいのだと気付きます。

こんな風に、自分を発見するというのは、
楽しいものですが、

この「自分を知る」ということは、
持ち味を活かす上でも、
本当に大事なことだと感じます。

社内でも「当事者研究」がはやっていますが、
もっと自分らしく、かぐやかであれるよう、
媚びない生き方を追求していきたいです。

かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子