先日の室礼のお稽古では、
先生から「知行合一」のお話しがありました。
「物事を知ることは、
本を読むとかそういうことではなく、
もっと本質なことだけれど、
物事を知って行うことが合わさり一つになる
ということが知行合一。
職人さんたちが持っている本質でもあるけど、
私たちも今から実際に、手仕事を行ってみましょう。」
・・・ということで、
実際に、盛り物をつくってみることに。
今回は、ひな祭りがテーマなので、
お米を炒ってあられをつくったり、
蛤をちりめん布で包み、飾り蛤をつくったり、
紅白の奉書を型紙にそって切って、
男雛と女雛の紙雛をつくりました。
一つひとつの盛り物には、もちろん意味があって、
例えば「蛤」は、ふたつに分けた殻は、
決して片割れの殻以外とはあわないことから
女性の貞操を表しており・・・
先生からも
「他の人とはあわないという
その美しい女性の「精神」を布でくるむわけで、
決して「殻」をくるむわけではないですよ。
工芸的な工作ではないですよ。」
・・・と教わっていたのですが、
いざやってみると、
自分自身、つくることに夢中になりすぎて、
そもそもの意味がおざなりになっていることに気付きます。
他の生徒さんの中にも、
紙雛の頭の部分を切り落としてしまう方や、
お米を炒る時に、
プラスチックのスプーンをつかってしまい、
スプーンを溶かしてしまう方もいたりして・・・^^;
知と行いを合わせていくことは
そう簡単なことではないことを実感。
だからこそ、
毎年、心ある行事(=事を行う)を重ねていくことで、
知行合一のとおり、ひとつになっていけたらと思います。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子