自立・自律をweblio辞書で調べてみると
自立・・・自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと。
自律・・・他からの支配や助力を受けず,自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制すること。
とあります。
両方の言葉には「自分以外のものの助けなしで」「他からの支配や助力を受けず」
とあります。
この意味を読み込むほどに不思議な気持ちが湧いてきます。
この言葉の意味の通りに自立・自律した大人は存在するのだろうかという思いです。
食べ物も空気も紙幣も人間も何もかもは
地球が作り出している中で、この意味の通りに自立を追求していったところで、
無理が来ます。
子どもに限らず、ほとんどの人間は、
誰かに助けてもらったり、誰かを助けたりとお互いに助け合って生きています。
それが「社会」だと思います。
「社会」から独立していくような自立の定義よりも
自分が出来ないことを助けて頂いている事実に感謝を忘れないほうが良いようにすら思います。
以前、本当の自立は出来ないことを出来るようにすることではなく、
自分が出来ないことを得意な人に「私はこれが苦手だから手伝ってほしい」と
伝えられることが自立だと教えて頂きました。
これは、日本が大切にしてきた知恵であり、
「村社会」そのものであるように感じます。
個人主義や能力主義が台頭し、
「一人で出来ること」が良しとされ、
結果、「競争」が生まれ、「比較」が生まれました。
その揺れ戻しで、現代の子どもたちへの教育には「競争」ではなく「協力」の環境や
学びの仕組みが重要視されていますが、本当に環境が必要なのは
それで育ってきた私たち大人なのかもしれません。
職場環境や職員環境の中に
「競争」ではなく「協力」の環境や
「能力」ではなく「個性」を見つめ合う環境や
「比較」ではなく「認め合う」環境が
必要なのだと感じます。
私たちは子どもに学ぶのは保育だけでなく
マネジメントそのものを学んでいく時代に入ってきているように感じます。
ミマモリスト
眞田 海