先日、ある保育園の園庭勉強会に参加してきました。
以前から何度か訪問しては園庭の様子を目にしてきましたが、この日は子どもたちが実際に遊んでいる時間に訪れることが出来たため、どのように子どもたちが遊び込んでいるのかをじっくりと見学することが出来ました。
※見学者を気にすることなく、子どもたちが好きな遊びを熱中して楽しんでいます。
以前のブログ(2018年8月17日『取り組みを整理していく』)で、ある園様の「青空保育」などの取り組みが「子どもの育ち・発達にどのように繋がっているか」ということを、指針の発達項目と照らし合わせて整理してみたことを書きましたが…
この日の藤森平司先生の講演の中でも、ドイツの森の幼稚園での事例として「森の幼稚園では算数を教えるのも森を使う。まつぼっくりを拾ってきて『大きい・小さい』や『多い・少ない』を並べるなど、それが就学全教育になっている。」というお話がありました。
また、「風や雨の音、草や花の形や色など、自然の中にある『音・形・色』などに気付くことができる施設環境を確保することが重要。幼児期に自然を通してカタチの違いに気がついたり興味を持ったりする、それが小学校に行ってから三角などというものを学ぶ基礎になる。」というようなお話もお聴きしました。
※「森や自然は可能性を無限に秘めた最高の保育環境」と言われます。
それを思うと、この保育園の周辺は自然豊かな土地でありながら、それでも園庭にこのように自然を取り入れているというのは大きな意味があり、園庭というものの意味を考えさせられる有難い機会をいただきました。
印象的だったのは、この園庭を設計された、ある会社の御担当の方の言葉。
「子どもたちに何を仕掛けていくかが園庭の設計・デザインであり、楽しい園庭づくりを考えていますが…、実際にはモノの違いは3割ぐらいで、7割は先生方の使いようです。」
環境それ自体は大切ですが、そこにどのような意図があるのか、どのような意味があるのかを掴んでいることが何よりも大事なことなのかもしれません。
私たちが行っている古民家の取り組み一つをとっても、日本人が本来どのように自然の智慧を取り入れ、自然と共に生きてきたのかを実感する機会が多くあります。その暮らしの中に秘められた「人が育つための無限の可能性」を探求していきたいと思います。
ビジョンリスナー
大河内 盛友