昨日は福岡県うきはにある「楠森堂」へお伺いするご縁がありました。
◆楠森堂について
https://kusumoridou.com/about/
こちらは、非常に長い家系をもつ家で、現代では大変貴重な在来種のお茶をつくっておられます。
・・・というのも、今、国内のほとんどの茶園が、品種改良された “ 挿し木苗 ” から育成した生産性の高い「改良種(品種茶)」の茶葉を生産している中で、楠森堂さまは、今では極めて稀少となった “ 茶の種子から育てた ” 茶樹から摘み採った日本古来より伝わる「在来茶」をつくっているそうです。
また、改良種は茶樹が均質なことから、その茶畑は一面均一なグリーンになるのが特徴ですが、こちらの在来種の茶園は、ひと株ひと株お茶の品種が異なるため、様々な緑色が混在した自然な茶園だそうです。
葉の色や大きさ、そして香味も違う色々な品種が混ざり合った「天然ブレンド」の在来茶は、自然本来の力強く複雑で奥深い風味が特徴とのことで、実際に眺めの良いお座敷でお茶を頂くと・・・
日常飲んでいるお茶とは全然風味が違っており、おいしいだけでなく、そのお茶本来の味わい深さから力強い命を感じるものがありました。
そう考えると、保育の世界と似ているところがあり、共感することがたくさんありました。
保育の世界でも、一斉画一で子どもを育てようとするのが大半ですが、実際にはそれぞれ子どもは発達も個性も違うので、私たちは長年、子ども一人ひとりの発達に合わせて見守るという、子ども主体の保育を広めるような仕事に取り組んでいますが、
お茶の木一本一本の個性も発達も味も違う中で、それぞれの持ち味を尊重し発揮できる環境をつくっておられる楠森堂さまには同じ志を感じました。
そのものの持っている持ち味を生かそう、育ちを保障しようという気持ちは同じですから、お互いに取り組んでいることの価値に共感できる嬉しさと共に、業界が違えどこれからも切磋琢磨できたらありがたいなぁと感じています。
かぐやかコーディネーター
宮前 奈々子