お正月に祖母宅に親族が集まりました。
祖母も高齢になり、祖母の心配事は田舎の農家ということもあり、飛び飛びにある土地をちゃんと管理できるのかということのようで、そんな話になりました。
すると、叔父はおもむろに大きな地図を広げ、どこが我が家の土地かが記された地図を祖母に見せていました。
祖父が亡くなりもう15年程経つでしょうか。叔父も亡くなる前に一緒にちゃんと見に言っていたと言います。そして、叔父は「うちのじいさんには敵わないよ」と話しはじめました。
山の中では、どこからが隣の人の土地か分かりづらく、昔は木一本でも勝手に切ったら警察沙汰になったと言います。(昔は炭焼をしていたため、大切な資源だったそうです)
ですが、祖父はちゃんと山の中を手入れして、きれいにしていたと言います。限られた土地の中で、4人の子どもを育てるためにお米や野菜の収量も上げようと、しっかり記録を取って自分なりに分析していたようです。祖父の努力もあって、他の農家よりも等級が高かったそうで、そのノートを今回はじめて目にしました。
祖母に聞いても、ノートをつけていることは知らなかったと言います。事細かに記録されているノートに何だか込み上げてくるものがあり、私が中学校へ入学して少しした位に亡くなりましたが、ノートを見ながらもっと色々話したかったなと、15年程が経ち改めて思いました。
ノートを通して知るその人柄や寡黙ながら家族のために働いていた姿に、孫として、一人の男としてもカッコよさを感じます。
親族が集まる中、きっとそこにはじいちゃんも一緒にいて、照れくさそうにしていたんじゃないかとそんな姿が浮かぶ、家族との繋がりがありました。子どもが憧れるような、そんな働き方を目指していきたいと思います。
ミマモルジュ
奥山 卓矢