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讃岐の自然石「サヌカイト」

弘法大師・空海が生誕した香川県に産出する自然石、「讃岐の岩」の意を込め「サヌカイト」と1891年ドイツの地質学者ヴァインシェンクが 命名した「サヌカイト」は、澄んだ音色を放つため地元では、「カンカン石」と呼ばれ、世界でも珍しい岩石で、ピアノの音階よりも上下に1オクターブずつ広い音階を奏でることが可能なようです。

 

サヌカイトは、あの空海も用いた治療や伝統音楽としても用いられた 不思議な力を秘めた自然石で、約2年前の先史時代には、槍先ややじりに用いられ、1964年の東京オリンピックの開会の合図でも用いられたそうです。

 

今回、サヌカイト奏者の小松玲子氏の音色と共に、竹取物語を朗読劇が 東京都谷中にある功徳林寺で公演が行われました。

 

その公演会に、とある園の園長先生から、「カグヤさん、竹取物語なのでピンと来ました。美しい音色よ!」と声を掛けて頂き、一緒に公演会を観に行かせて頂きました。

 

私たちカグヤは「竹取物語」かぐや姫を社名の由来としています。

 

今回はじめて、「サヌカイト」の音色を耳にしました。

 

「サヌカイト」って何?という私にとって、全てが未知との遭遇でもありました。

 

竹取の物語は、「今は昔、竹取の翁と云うもの有けり。野山にまじりて、竹を取りつつ、萬の事ぶ使ひけり。名をば讃岐造となむ云ひける。その竹の中に、本光る竹なむ一筋ありける。」と始まります。

 

幻想的な竹林の中で光る一本の竹と、月の世界に帰るかぐや姫。

 

これまで私の思っていた『竹取物語』よりも遥かに壮大で、幻想的な物語のイメージに変えてくれたのは、他ならぬ「サヌカイト」の音色によるものだと、公演を観終えて感じました。

 

CDやYoutubeでは感じられない音色が身体中に響き渡り、会場を出ると不思議と身体が軽くなっていることを体感しました。

 

以前、左官職人さんと話をしていた時に、子どもたちが泥団子作りや砂遊びを好んでしていますが、その究極の美や技術が左官という仕事になるのだと思ったことがありました。

 

サヌカイト奏者という仕事も今回はじめて知りました。その子の好きなものに寄り添い続けたら、光り輝き誰かの心をも照らすものになるになるのではないかと思いました。 

 

本光る竹は、園内にはいっぱいある。そんなことを感じました。

ミマモルジュ
奥山卓矢