さて、「子どもたちにどんな社会・未来を残していくのか」
そう考えたとき、文明などの便利さに偏った社会には、危機感を覚えます。
サプリメントのようなもので「栄養」を補給するような「暮らし」は
便利で文明的かもしれませんが、「簡単便利を追求する食生活」は
「簡単便利を追求する生き方」へとつながりますが、、、
夜は出来合いのものを買ってきて、レンジでチンをして、
栄養はサプリメントで。朝は簡単なもので、昼は外食で。
どうも体も心も不健康な気がして仕方がありません。
未来がどうなるかは分かりませんが、現代でそのような生き方や
暮らしをすれば、途端に心身ともに不健康になっていくのは明らかです。
子どもたちにそのような暮らしや生き方をしなくてよい社会を
昔ながらに大切にされ、知恵が詰まった「手間暇掛けることの豊かさ」を感じられる。
そんな「文化」にあふれた社会を残していきたい。
そう思います。
さて、話は戻ってかつお節のお話です。
世界で一番固い食品と呼ばれるこのかつお節。
(鉄・ガラス・オパールよりも固い硬度を持っています。)
昨日の話では、日本の代表的な伝統食であり、
先人の方々の智慧が詰まった食品です。
そして、天皇や伊勢神宮の神様から私たち国民まで含めて
皆が親しんできた味でもあります。
そんなかつお節をとことん極めたい!!と日々突き進んでいる、
「かつおちゃん」こと松永 真依さんのかつお節ご飯を食べてきました。
お店は朝の9時開店ですが、その前から行列が。。。
僕が入った後もずっとお店の外に並んでいるくらいの大盛況です。
入ってみると、白木のカウンターがコの字型になり、
かつおちゃんをお客さんが囲む感じで良く作業が見えます。
お客さんには今日のかつお節がどこの産地で
誰がどういう想いを持って作っているかを教えてくれ、
そして今日はどのかつお節にするのかを選ぶことが出来ます。
その日は高知の竹内商店さんと
https://www.m-ys.co.jp/takeuchi/
鹿児島のカネモ鰹節店さん
http://kanemo-katsuobushi.com/
僕は竹内さんのかつお節を頂きました。
かつお節を削りながら、かつおちゃんは
「かつお節は、自分のその日の気分があらわれちゃうんですよー」
「心が荒れてると、すぐに削り節が荒くなる(笑)ほんとにー」
「かつおに嘘はつけないんですよねー」
と、一人ひとりのお客様ごとに、丁寧に削っていました。
なんと、鰹は本当に人間の気持ちを理解できるらしく、
漁師さんたちが船の上で険悪になったり、イザコザが始まると、
鰹はその船から離れていってしまうそう。漁師さんたちは
それを体験の中から学び、船の上では仲良くするのだそうです。
さて、かつお節を美味しく上手に削るコツをお聴きすると、
「まだまだ勉強中だから難しいです。でも、未熟だからこそ
色々と工夫をしているんですよー」
と言います。
かつお節を削る「鉋(かんな)」も表に出ているだけで3つ。
目の前に置かれています。
ひとつの理由に、鉋の刃を自分で研ぐのがまだ上手ではないので、
うまくいく時といかない時があるので3つ用意しているのだそう。
そして、3つ用意する別の理由は、かつお節にあると言います。
一本一本、どのかつお節も同じものがないので、
どの鉋と相性が良いのかが削ってみないとわからない。
しかも、一本のかつお節でも途中から相性が変わってしまう。
それに加えて温度や湿度でも、削りが変わってしまうそう。
・・・なんと複雑な!!!
・・・なんて繊細な!!!
と、驚きつつ、、、
「ん?でも僕はそんな繊細な違いは感じないなぁ。上手には削れないけれど、
毎回同じように削れているような気がするなーー。」
なんて、思っていましたが、、、かつおご飯が出てきて
一口食べたらその意味が分かりました‼
・・・僕が食べたことがあるかつお節の味じゃない。
・・・僕が食べたことがあるかつお節の舌触りではない。
異次元に美味しく、異次元にふわふわで、異次元に優しい味。
なんだかすごくあたたかくて、気持ちよくて、心地よくて、、
え、、、なんだろう?!これ。え、、、あ、、、、「愛」?!
「愛」か‼ ふわっふわな「愛」だ‼
かつおちゃんがなんでさっき、あんなに繊細なことを言っていたのか。
それは、かつおに出会って自分の人生ががらりと変わったあの経験。
かつおに出会って、おばあちゃんや山梨の人たちや製造者の方々と触れて
感じた「愛」。(下記参照)
https://sunchi.jp/sunchilist/tokyo/68002
かつおちゃんはかつお節のことを一言でいうと「愛」と言い切りますが、
かつお節の極限までのポテンシャルを引き出そうとしている。
かつお節にはどこまでもポテンシャルがあると信じている。
勝手ながら、そう感じてしまいました。
(ほんっとに勝手な解釈です)
解釈は置いておくとして、、、
とにかく、かつおに対する「愛」が半端ではありません。
そして、かつおにまつわる彼女の人生の「ストーリー」が半端ではありません。
仕事には「人柄」がでます。
仕事にはその人の「味」が出ます。
かつおちゃんから学ぶことは料理だけでなく、
生きること、働くこと、様々にあり、、、しっかりと自分も
学びを活かして行きたいと思います。
かつおちゃん、ほんとに、ありガツオございました!!
見守る伝道師 眞田 海